真の米屋

米の収穫もいよいよ終盤戦です。

5棟ある倉庫も米でぎっしりです。

同時進行で米の検査をし、食味の分析をしてまいります。
食味指数の全国標準は滋賀県の日本晴れの70ポイントになっていますが、本年は、ほとんどが80Pを越えています。

ここ数年、生産者を精査したした成果が出始めております。

90Pという特上米レベルのお米も散見しています。

私は、お米の味がよくわかるのは3月過ぎてからだと思っています。

作った翌日のカレーが美味しいようなものです。
光沢や香りというのは新米にかないませんが、保管技術が向上した現在では、夏場でも本当に美味しいお米を食べることができるのです。


6月以降によいお米を安定供給できるのが真の米屋であると思っています。

美味しい米ができる条件

毎日秋晴れが続き、収穫の秋の作業は急ピッチで進んでいきます。
朝は、6時から夜11時まで連日、米の集荷にてんてこまいです。
とにかく8月末からこんな状態が続いているので、疲労もピークの状態です。
でも、お客様から声がかかるのはうれしいことで、毎日100キロや200キロの
移動も秋の景色を楽しみながら車を走らせております。
 
今日は会社から40離れた真壁町という筑波山地の北西部の町を訪ねました。

2往復です。

元々、石の町として繁栄したこの町も中国産に市場を占有され、今では、石の加工業をしているのは、10年前の10分の1とか・・・・
あまりにも激しい変化です。
 

山の北側というのは隠れた産地が多いのです。
人は南側に住まいを求める為、北側は自然がそのまま残り水もきれいです。
日夜の寒暖の差も大きく、夜間の山風が米の登熟を高めます。
山すその粘土質の大地は自然のミネラルをより多く含み、水の保水力を高め黄金色の見事な米を作り出します。
 
土地の名はなんと田(た)です。

真壁町田なのです。

皆さんに一度食べていただきたいお米です。
米作りに命をかける刈田さん。
いずれ、皆さんにご紹介いたします。
 
今、専業で米作りをしている生産者は作ることができない人たちの田んぼを借りて耕作しております。
借主は貸主に収穫期に米を小作料として献上します。
実は、美味しい田んぼは小作の量が多いのです。
この土地も反あたり2俵の小作だそうです。
通常の倍以上です。

美味しい田んぼの見分け方のひとつです。
 
ついでにもうひとつ黒土は田んぼに不向きです。

田んぼに足を入れたとき長靴が深く入ってしまうような田んぼより、堅くてグレーっぽい色の田んぼが美味しい米が収穫できます。

美味しい米ができる条件が少しずつおわかりいただけましたでしょうか?

買い付けにて

今年は、稲刈りが例年より5日程度早く進んでいます。

今日、北条米で有名なつくばの栗原さんから、夕方には米がすりあがるとの電話がありました。
今年のトップバッターは、いきなり県内最高のひとつといわれる北条米です。

毎年、多くの米屋さんと都内の高級料亭から直接買い入れがはいるトップブランドです。

明日午前中、うかがうことに決定しました。
本当に楽しみです。
雨が降らないことを祈るのみです。
 

夜に、水戸市内の生産者を尋ねました。

仕事を終え晩酌をしていました。
「今年は、米が安いみたいだねぇー」
私は思わず黙ってしまいましたが、どこに行っても、生産者の第一声は、
「今年は安いんだろう?」です。
 

これ食べてみな。
俺大好物なんだよ。
と出されたものは、ニラの花のおひたしでした。

生まれて初めて食べたのですが、ニラの香りと卯の花の食感を合わせた大変シンプルだけどおいしいものでした。

通常、市場に出荷されることはありません。

田舎には本当においしい素材が隠れています。

そんな出会いがまた楽しみな毎日です。

北条米の買い付け

茨城では、常陸太田の里川流域とつくばの北条地区が最もおいしい米ができると古くからいわれております。北条地区は、筑波山麓の南に平らで肥沃な大地が拡がっております。

きれいな水と粘土質の土壌、山の麓である為、日夜の寒暖差があり、おいしい米ができる環境がしっかりと整っています。当社から、結構はなれていますが、かねてから欲しい米だな思っておりました。

つくばの友人に、北条の生産者の方を紹介して欲しいと頼んだところ、紹介してくれるとのことで、よろこび勇んで北条に向かいました。
 
ご紹介いただいた方はつくば市北条の栗原さん。
米作り50年以上の達人でした。

昨年52歳の息子さんが、会社を退職して米作りをはじめたとのこと。
農業の世界では、52歳はバリバリの若手です。
今回はお会いすることはできませんでしたが、次回ご紹介してくださるとのこと。

今、保有している米を少し譲って欲しいと頼みました。
驚くことに、500袋は収容できるであろう低温倉庫を保有していました。これほどの設備を兼ね備えている方は今まで生産者で見たことがありません。
 
うかがったところ、15町歩(45000坪)の水田を耕作しておりすべてコシヒカリだそうです。
ざっと、1200~1300俵(1俵60kg)の米が収穫されることになります。
田んぼをざっと見回して北条地区は70町歩。その場所だけが群を抜いておいしいのだろうなと思いました。

心底、買付したいと思いました。
 
高く買ってくれるんだったら譲るよといってくださいました。
農家の方は初対面ではほとんど譲ってもらえません。

また連絡してくれ。と本当にうれしい言葉を頂戴しました。

そして、試食用の米までいただきました。
 
事務所に戻り早速お米を炊きました。

つやつやピカピカ。
すごい米だ。


でも、すぐには食べません。
8時間後どうなのかな?
 
待つこと、8時間。炊飯器の中の米は炊き立てと同じつやつやピカピカ。

まさしく、本物の米です。

一年で一番米の質が落ちるこの時期にこれだけの食味があるのはなかなかありません。
 
私たちは99%の米を業務用に納めさせていただいているのですが店主の方はいつもそんな米を探しているんです。
価格ももちろん抑えて・・・
ニーズにぴったりの米がまたひとつ見つかり大変、満足した一日でした。

隠れた産地を探す旅

毎日暑い暑い日が続きます。

お陰さまで、稲も順調に育っています。
今年葉10日くらい稲刈りが早まりそうです。

温暖化の影響でしょうか?
10年前より出穂の時期が5日くらい早まっていると農家の方が言っておりました。
 

今日は、清流里川を北に上って茨城の最北部の里美村に行ってきました。

美しい川と美しい里間違いなくおいしい米ができる場所です。

西には八溝山系と名所袋田の滝、10キロ東は太平洋です。

水戸市から40キロの山道をひたすら北に向けて米作り名人の石川さんの住む家に向かって車を走らせました。
 

里美村に入ると段々畑ならぬ段々田んぼイメージどおりの田園風景です。

間違いなくおいしい米ができる場所です。
まず、水がきれい。そして、川の近く。そして、日夜の寒暖の差と米作にとって最高の条件が揃っています。
 
石川さんの自宅にやっとたどり着きました。


もちろん、今年の収穫期にお米を譲っていただきたいとお願いする為です。
山水と里川の水で米を作ってるとのこと。

今では珍しい天日干し。

山奥のまた奥なので、このあたりまで米を買いにくる商人はほとんどいないとか・・・

ご近所の方もご紹介いただけるとの大変うれしいお話です。

魚沼産に劣らない米がまた見つかりました。

私の隠れた産地を探す旅はこれからも続きます。